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YKK AP再参入・LIXIL初投入…「木製窓」は新たな顧客価値になるか

YKK AP再参入・LIXIL初投入…「木製窓」は新たな顧客価値になるか

YKK APが7月に発売するトリプルガラス木製窓と魚津社長

窓メーカー各社が木製窓を相次ぎ投入する。YKK APは木製窓市場に再参入し、再生可能な国産ヒノキの集成材を使ったトリプルガラス木製窓を7月22日に発売する。LIXILは同社初となる木製窓を2025年度に投入。いずれも地球環境に配慮した上で品質やデザイン性を追求している点をアピールする。(地主豊)

YKK APのトリプルガラス木製窓は、一戸建ての木造住宅に加え、集合住宅など非木造建築物にも対応可能だ。消費税込み価格は幅2600ミリメートル、高さ2430ミリメートルの片引き窓の場合で搬入費や施工費を除き約170万円と、樹脂窓の2倍程度。室外側はアルミニウムをかぶせたアルミクラッド構造となる。28年度に57億円の売り上げを目指す。

同社は30年度に木製窓の出荷比率を23年度実績のゼロから20%に引き上げる計画だ。魚津彰社長は「30年度に売上高1兆円と営業利益率10%を目指す中、方針の一つ『新たな顧客価値の提供』として木製窓がある」と説明。「断熱性能や意匠性、サステナブル(持続可能)を考慮して木製窓のアイテムを拡充したい」と展望する。

同社の調査によると、木製窓の普及率は米国の約32%(21年)、ドイツの約14%(同)に対し日本は0・3%(24年)にとどまる。木製窓は断熱性能が高く自然な風合いだが手入れが難しく高価格なのが課題だ。

同社は80―00年代に木製窓を3回投入したが売り上げは伸びず、品質面などで課題を残してきた。

海外の先進技術を取り入れようと17年にドイツで窓の研究開発拠点を開設。姫野賢商品開発本部長は「現地の設備メーカーと対話を重ねてきた。過去の失敗を克服したい」と力を込める。

LIXILは一戸建て住宅の引き違い窓を主な対象に、国産無垢材を使った木製窓を25年度に発売する。伐採して使うとともに植樹する循環利用がしやすい国産木材を活用することで、環境負荷を低減する。

日刊工業新聞 2024年06月07日

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