ホンダが3年ぶり生産開始、新型「FCV」の特徴
ホンダは米国で新型燃料電池車(FCV)「CR―V e:FCEV」の生産を始めた。同社のFCVの生産は2021年以来、3年ぶり。米国で生産されるFCVは現時点で日系含め世界の自動車メーカーで同車種のみという。米国での生産車を24年内に米国と日本で発売する計画だ。社会のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を促進し、水素需要の喚起に貢献していく。
米オハイオ州の4輪車生産拠点「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)」で生産する。生産能力は年600台。発売時期や販売台数などは明らかにしていない。
CR―V e:FCEVはスポーツ多目的車(SUV)タイプのFCVで、外部から充電可能なプラグイン機能を持つのが特徴。長い航続距離や水素の充填時間の短さに加え、家庭や外出先で充電できるため利便性が高い。1充填走行距離は270マイル(約435キロメートル)以上、EV走行可能距離は29マイル(約47キロメートル)以上と米環境保護局(EPA)が定める基準を満たした。
燃料電池システムはホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)が共同開発し、米ミシガン州の両社の合弁生産拠点「Fuel Cell System Manufacturing(FCSM)」で生産している。従来の燃料電池システムに対してコストを3分の1に低減し、耐久性を2倍に向上させた。
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日刊工業新聞 2024年06月07日