三菱ケミカルグループ系が韓国深耕、半導体装置向け部品洗浄
三菱ケミカルグループ傘下のMCソリューションが韓国で半導体製造装置向け部品洗浄ビジネスを強化する。ロジック半導体用装置とメモリー用装置の市場を深耕する。特にメモリー市場で大型受注を獲得できれば洗浄能力の増強を検討する方針で、すでに韓国・公州市の関連工場内に増産用地を確保した。同社の部品洗浄は長寿命化に寄与するなど費用対効果が高く、この強みを訴求する。
韓国のデバイスメーカーは半導体装置の部品が消耗・劣化した場合、新品に交換することが多く、特にメモリー関連はその傾向が強いという。一方、MCソリューションの部品洗浄は寿命の延伸につながることから、日本や台湾で実績を上げており、韓国でも部品洗浄が認知され始めた。
三菱ケミカルグループは素材や配合、分析、品質保証などで高い洗浄技術を有しており、この強みを生かしてロジック半導体とメモリーの市場を深耕する。今後、メモリーの受注量を踏まえて洗浄能力の増強を検討し、増強する時期や規模を詰める考えだ。
MCソリューションは三菱ケミカルと、韓国で半導体材料を製造販売するソウルブレインホールディングス(HD)が折半で出資する。三菱ケミカルが開発したディスプレー用レジスト材料などをソウルブレインHDの営業網を活用して提案しており、現在は同材料の売り上げが多くを占める。
ただディスプレーは中国勢の台頭により、顧客となる韓国勢の経営環境が悪化している。そこで今後は部品洗浄ビジネスの売り上げ比率を高め、事業体質を強化する。
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日刊工業新聞 2024年05月31日