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脱炭素・稼ぐ力強化…愛知製鋼が新中計、26年度営業益150億円

脱炭素・稼ぐ力強化…愛知製鋼が新中計、26年度営業益150億円

中期経営計画について説明する後藤社長

愛知製鋼は30日、2027年3月期(26年度)に連結営業利益で150億円(24年3月期実績は103億円)を目指す3カ年の中期経営計画を発表した。営業と開発が一体となり、顧客の要望に迅速に応える体制を整備。鋼事業の脱炭素対応や、鍛造品の多品種少量生産向けの工法開発、電動車製品の拡販などを推進し中長期でも稼ぐ力を強化する。

工程省略で二酸化炭素(CO2)排出を削減する鋳造化技術を導入し、顧客のカーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)需要に応える。省エネルギー型電気炉の開発も検討する。

鍛造業界では少量品を扱う鍛造会社の減少やモビリティーの多様化に伴い、多品種少量生産品の増加が見込まれる。多品種少量の鍛造品生産は専用型を用いることが多いが、同社は汎用型を活用してコストや時間を削減する新たな鍛造工法を開発中だ。

電動車製品では小型化や高出力化に寄与する高強度ギア鋼を提案するほか、パワーカード用リードフレームの生産能力も高めている。また、高回転を実現する電動駆動装置「イーアクスル」部品については「既に28年ごろのものまで受注が決まっている」(後藤尚英社長)とした。

日刊工業新聞 2024年05月31日

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