巨大地震時に建物の安全性確保する「ダンパー」、戸田建設などが開発
戸田建設は川金コアテック(埼玉県川口市)、光陽精機(茨城県筑西市)と共同で、巨大地震の発生時に建物の安全性確保に効果を発揮する「自己復元型トリガー機構付きオイルダンパー」を開発した。小地震から大地震まで建物の揺れを抑制する通常のオイルダンパーとは異なり、大地震で免震層に大きな変形が生じた際に機能する。現在建設中の戸田建設の新社屋「TODA BUILDING」に実装している。
自己復元型トリガー機構は、意図的にダンパーが効かない領域(不感帯)を設けて中小地震に対する加速度を抑制することと、大地震が発生した時の安全性向上の両立を目的に開発した。オイルダンパーに同機構を接続することで、所定の変形が生じるまでダンパーは機能しない構造とし、中小地震の加速度増加を抑えられる。
一方、所定の変形を超える大地震の時は通常通りダンパーが機能するため、建物が大きく水平に揺れ擁壁と衝突するのを防止する。また、機構には復元用のバネを実装しており、変形後は自動的に元の位置に戻り、再び機能を発揮する。
日刊工業新聞 2024年05月23日