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坑内待機時間40%削減…トンネル工事を可視化、清水建設がAIシステム

清水建設は山岳トンネル工事で、人工知能(AI)がウェブカメラのライブ映像を基に坑内の作業状況を自動判定し、チャットツールで施工関係者へリアルタイムに通知する「AIサイクル自動判定システム」を開発した。トンネル先端部の作業状況を可視化でき、現場職員による施工管理業務を効率化できる。

同システムはネットワークカメラや高速通信網、解析用パソコンなどで構成する。トンネル切羽(掘削面)の後方に設置したネットワークカメラのライブ映像を画像解析AIで解析し、切羽付近の作業内容を自動判定する仕組み。

判定結果はクラウドストレージに転送され、チャットツールを介した情報共有や作業記録の自動作成に利用する。

生産性向上の効果を検証するため、「中央自動車道新小仏トンネル工事」と「利賀トンネル(1工区)工事」の2現場にシステムを試験導入した。その結果、現場職員の坑内待機時間を約40%削減でき、システムの有効性を確認できた。

山岳トンネル工事の現場では、坑内の作業状況を坑外から把握することが難しく、施工管理上の課題の一つとなっている。これまでは個人の経験・感覚などを頼りに坑内の状況を推察しながら作業工程を調整していた。

日刊工業新聞 2024年05月21日

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