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住友化学は黒字転換…総合化学5社の通期見通し、業績改善の背景

住友化学は黒字転換…総合化学5社の通期見通し、業績改善の背景

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総合化学5社の2025年3月期連結業績予想が15日出そろい、3社が当期増益を見通す。住友化学は当期損益が黒字転換する。三菱ケミカルグループは前期の子会社売却益がなくなるなどで当期減益を見込むが、本業のもうけを示すコア営業利益が大幅に伸びる。その背景の一つが、石油化学関連事業の動向だ。各社は再構築を進めつつ、需要回復の兆しもあり、業績改善を後押しする。

三菱ケミカルグループの25年3月期コア営業利益は、前期比20・1%増の2500億円を見込む。石化関連のマテリアルズ・ポリマーズは需要回復などでコア営業損益が90億円の黒字(前期は23億円の赤字)を予想する。

三井化学は石化を担うベーシック&グリーン・マテリアルズが、交易条件の改善などでコア営業損益が40億円の黒字(同116億円の赤字)を見込む。中島一代表取締役専務執行役員は「ポリオレフィンを中心に、値上げを順次受け入れてもらっている」と話す。

石化は中国の影響などで事業環境が厳しいが、「構造改革を進めている」(三菱ケミカルグループの筑本学社長)と各社で改善の効果が徐々に出る見通し。三菱ケミカルグループは黒崎工場(北九州市八幡西区)でビスフェノールAの生産を終了し、最適化を図る。三井化学もポリエチレンテレフタレート(PET)の国内生産停止などを通じ、収益改善につなげる。

一方、住友化学は24年3月期に計2694億円の減損損失を計上。石化関連を担うエッセンシャルケミカルズの構造改革も進め、コア営業赤字幅が縮小する見通し。「全体としてスローペースかもしれないが、交易条件も回復していく」(佐々木啓吾常務執行役員)とした。旭化成も基盤マテリアル事業の営業損益が黒字化、東ソーは石化やクロル・アルカリなどで営業利益増を見込む。

24年3月期連結決算は住友化学が大幅な当期赤字となった一方で、旭化成は当期損益が黒字転換した。


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日刊工業新聞 2024年05月16日

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