ニュースイッチ

門柱・フェンス・カーポート…建材メーカーが新製品で住宅業界の課題を解決する

門柱・フェンス・カーポート…建材メーカーが新製品で住宅業界の課題を解決する

宅配ボックスの機能を拡充したLIXILの機能門柱シリーズ。玄関先の郵便ポストを宅配ポスト化する

建材メーカー各社が住宅業界の課題解決につながるエクステリア関連の新製品の提案に乗り出している。4月に始まった運転手の残業上限規制により今まで通りに荷物が運ぶことができなくなる「2024年問題」をはじめ、施工者不足や国連の持続可能な開発目標(SDGs)への対応を見据え、各社は製品開発に力を注ぐ。機能門柱やフェンス、カーポート、コンクリートブロックなど住宅回りの製品を投入し、売り上げ拡大を目指す。(地主豊)

LIXIL 再配達減の大型ボックス

LIXILは24年問題に着目し、再配達の削減に向けて宅配ボックスの機種を拡充。3月以降、機能門柱シリーズの製品を相次いで発売している。門袖に埋め込み可能な宅配ボックスなどを投入し、6月にはポスト・宅配ボックスを一体にした縦型の「機能門柱FT」を発売する。一体でも分離でも使える構造や大容量、複数の荷物受け取り機能、省施工設計など製品ごとに特徴があり、多様な設置条件に対応。同社エクステリア商品開発部の移川拓也部長は「シンプルとミニマルを追求したデザインでどんな住宅にもなじみ、外観のシンボルにもなる」と説明する。

同社によると宅配便の取扱個数は年々増加しており、22年の約50億個に対し、30年には71億個を超えると予測される。コロナ禍で急増した非対面での受け取りは収束後も定着する一方、同社の調査では一戸建て住宅の宅配ボックス設置率は全国で10%にも満たないという。同社は30年度までの目標として、宅配ボックスの売上高を23年度比2・8倍に設定。設置率を50%に引き上げたいとしている。

YKK AP フェンス施工スムーズ

YKK APは外構のフェンスをエクステリア事業の主力製品の一つに据え、売り上げ拡大を図る。意匠性を重視しデザインの選択肢を広げるとともに、施工者不足への対応を強化。アルミフェンスのシリーズ「シンプレオ」を17年ぶりに刷新し、6月に発売する。全デザイン・全サイズに対応したフェンス本体の切り詰め施工治具の追加で施工時間を大幅に短縮。構造面では胴縁を水平垂直基調にし、別デザインのフェンスを並べても連続感を損なわない組み合わせを可能にしている。さらに、環境に配慮した新製品として社内のリサイクル材を活用した樹脂フェンスも6月に発売する。

YKK APが17年ぶりにリニューアルしたフェンスのシリーズ。施工性や意匠性を追求

同社のエクステリア事業に占める売上高は22年度実績で約650億円。24年度は売り上げ目標を23年度比8%増にする計画を立てている。苅谷昭斉執行役員エクステリア本部長は「植栽や空間の使い方を提案する(社内)部隊とともに、商品『単品』だけではない提案を進化させていければ」と力を込める。

三協立山 ガレージ風のカーポート

三協立山の建材部門を担う三協アルミ社(富山県高岡市)は、高意匠でシンプルな薄型アルミ屋根のカーポート「FII(エフツー)」の新製品を4月に発表した。23年発売の1台用から、水平ラインを強調したデザインで建物との一体感を追求した2台用、3台用に機能を拡充している。同社の坂田歩男エクステリア商品部長は「カースペースを車の保管場所から実用的な『ガレージ風』空間に進化させたい」と意気込む。

三協アルミ社の薄型アルミ屋根カーポート「FⅡ」。1台用に加え、2台用と3台用を開発した

同社はさらに、23年発売の人工木デッキ「ヴィラウッド」の機能性を高め、公共施設や集合住宅の床板に展開できる高強度タイプを4月に発表した。従来の単調な質感を改め、自然な深みを感じるカラーを採用。昇温や静電気を抑制する機能も追加し、「幼稚園や商業施設などのパブリックな空間に安らぎや憩いを提案したい」(坂田部長)としている。新築住宅の着工が減少する中、カースペースだけでなく公共空間でも、エクステリア製品を通じて進化した空間価値の提案を図る。

マチダコーポ CO2減の土留めブロック

マチダコーポレーション(前橋市、町田憲昭社長)は、SDGsに関連した技術を4月に初めて発表した。主力製品の一つ、RMユニット(土留めブロック)シリーズに「RMセラフィス ストーンタイプ」を追加した。

マチダコーポレーションの土留めブロックのシリーズ「RMセラフィス ストーンタイプ」。耐久性と上質感を向上

同社は温室効果ガス(GHG)削減に取り組んでおり、二酸化炭素(CO2)の排出量が多いセメントの代替として「高炉スラグ微粉末」を採用し、08年から実用化を進めてきた。コンクリートブロックの主要原材料に由来するCO2の排出量を約60%削減する環境技術「アルティマテクノロジー」を多くの主力製品に取り入れている。24年には進化版として、CO2の排出量を90%以上削減するゼロセメントタイプの開発を目指す。

4月に発表した「RMセラフィス ストーンタイプ」は、耐久性を高めた浸水防止の土留めを石調の擁壁材として、上質感のある全5色で展開している。同社は「コンクリートブロックをはじめとするエクステリア製品に新たな価値と個性を与え、人々の驚きと喜びをつくり出す」としている。

日刊工業新聞 2024年05月06日

編集部のおすすめ