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首都直下地震では「プッシュ型」支援が重要に

首都圏以外から最大14万人の応援部隊投入
首都直下地震では「プッシュ型」支援が重要に

国土交通省が2月に実施した訓練では、首都直下地震に備え、災害支援物資を貨物船で運ぶ海上輸送を実施した(川崎港)

 政府の中央防災会議幹事会は29日、首都直下地震における具体的な応急対策活動計画をまとめた。人命救助に重要な72時間を意識して緊急輸送ルートや救助・救急、消火、医療、物資、燃料の各分野の工程と目標行動を定めた。東日本大震災の教訓を踏まえて帰宅困難者への対応なども盛り込んだ。今後は関係者への対策活動の周知徹底が重要になる。

 同計画は、2013年12月にまとめた「首都直下地震の被害想定と対策について」の最終報告と15年3月に閣議決定した「首都直下地震緊急対策推進基本計画」に基づき策定した。国は被害の全容把握、被災地からの要請がなくても積極的に行動する「プッシュ型」の支援を展開する。

 救助・救急、消火では被害が想定される東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県以外から、最大で警察1万4000人、消防1万6000人、自衛隊11万人、航空機約450機、艦船・船舶約330隻の応援部隊を投入する。
日刊工業新聞2016年3月30日付 総合4面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
東日本大震災では10万人の自衛官が被災地支援に動員されたことは記憶に新しいですが、首都直下地震ではそれを上回る規模の応援を想定している、ということです。また発災直後は「支援したいが被災地側から何も言ってこない」という、もどかしいミスマッチがよく起きていました。これを防ぐため、プッシュ型支援を強化します。

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