蛇口一体型浄水器で新築マンション向けトップシェア!タカギの“チカラの源泉”とは

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蛇口一体型浄水器「みず工房」
 「必要こそが発明の母」。蛇口一体型浄水器で高い国内シェアを誇り、近年はアジアの環境事業にも積極的に取り組むタカギ社長の高城壽雄はこう力説する。「市場が、顧客が待っている商品を開発する。それこそが企業が生き残る秘訣(ひけつ)なのだ」。新築分譲マンション向け国内シェア60%超を誇る同社だが成長には挫折も伴った。

「下請けでは不況下で生き残れない」


 創業は1961年。高城が「これからはプラスチックの時代がやってくる」とプラスチック中空成型機や金型の製造を始めた。73年には金型工場が完成するが直後にオイルショックの直撃を受ける。仕事は激減し、どん底を味わった。「下請けでは不況下で生き残れない。メーカーになろう」と心機一転、主力製品を金型から日用品に切り替えたがこれが吉と出た。

 時代は高度成長期で郊外に住宅がどんどん建設されていた時代、家庭用散水器が人気商品に育った。

 これなら行けると成長軌道に期待したが、半年もすると同業者が類似商品を相次いで発売した。大手小売店からは取り扱いを条件に高額の協賛金を強制された。

蛇口一体型


 「すぐにまねされず、小売店を通さずに販売できる製品はないものか」。たどり着いたのが散水事業で得たノウハウを生かした蛇口一体型浄水器だった。

 それまでの浄水器は設置が煩雑な大型品や、顧客が個別に取り付ける簡易品のどちらかだった。同社は工事が不要で、カートリッジを定期的に交換するだけで浄水可能な製品を開発。在京の大手マンションデベロッパーの多くと取引することで、業界首位の座を不動にした。

 08年にはグループ初の海外拠点タカギベトナムを設立、製品の組み立てを始めた。また同国ハイフォン市で上水道の整備・普及を行う合資会社設立に51%出資するなど、アジアでの水ビジネスに積極的に関与している。16年には日刊工業新聞社が主催する、優れた経営手腕で社会や地域経済に貢献した中堅・中小企業経営者をたたえる「第33回優秀経営者顕彰」の最優秀経営者賞を受賞した。高城は「従業員や地域、幸運に支えられた結果。強い経営基盤を確立するため、ブランドメーカーになろうと決心したことが成功につながった」と喜んだ。
(敬称略、文=北九州・大神浩二) 

【企業プロフィル】
▽社長=高城壽雄氏▽所在地=北九州市小倉南区石田南2の4の1▽設立=1961年▽従業員=645人▽売上高=185億円(15年3月期)

日刊工業新聞2016年3月29日 モノづくり基盤・成長企業面「成長企業チカラの源泉」

COMMENT

三苫能徳
西部支社
記者

製品の強みと売り方がぴったりはまれば、中小企業でもシェアを取れる。でもそれを維持するのは難しい。タカギは“浄水器メーカー”から“水の会社”へなることでブランド力を強化し、さらなる成長の基盤を築いているように思えます。

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