富士重が初のファンミーティング。吉永社長「こんな日が来るなんて!」

国内外から総勢2500人集結。高速走行体験などが人気

 富士重工業は顧客を集めて催すイベント(ファンミーティング)を同社として初めて主催し、北海道から九州までの全国、遠くは海外から総勢2500人が集まった。米国を中心に急激に販売を伸ばす同社にとって、新しい顧客の固定化も含めて関係を深めることが重要になる。会場のスバル研究実験センター(栃木県佐野市)では約240人の従業員やボランティア100人がファンを出迎えた。

 「こんな日が来るなんて!」。吉永泰之社長は会場で感激した様子の男性ファンに、声をかけられたとうれしそうに語った。今は業績好調な同社も、過去には経営の厳しい時期があった。集まった人の中には、その時期も乗り続けたファンも少なくない。抽選にもれてボランティアとして参加した50代男性は、「時代が追いついてきた」と笑う。

 しかも、「昔は社員も入れなかった」(吉永社長)という研究開発の中心拠点での開催が、ファンの心をつかんだ。社員のテストドライバーの運転による高速走行体験や施設内をめぐるバスツアーなどに人気が集まった。「本当にやってよかった」(同)と語る。

「たくさん売れても実直なモノづくりを続けてほしい」(参加者)


 企画したスバルネクストストーリー(SNS)推進室の小島敦室長は、「社内施設のため人数制限が必要なのは残念だが、『スバルをもっと知りたい』という要望に応えようと思った」と話す。SNS室は、顧客との新しい関係を模索するプロジェクトを発展させて15年4月に発足した。スバル車オーナーが趣味として楽しむスキーやスポーツ自転車のイベントを開催したり、ウェブでのコミュニケーションの強化にも取り組んでいる。

 会場で出会ったという40―50代男性と20代女性の4人グループは、歴代のスポーツカーを前に各車のディティールを語り合っていた。世代は違えど、全員が親世代からのスバルファン。「どんな天候でも安心して思い通りに走れるところがいい」(40代男性)、「エンジニアの方が素朴で真面目。たくさん売れても実直なモノづくりを続けてほしい」(別の40代男性)という。

 またファンだからこそ、「インプレッサ」のオーナーズミーティングでは「全体的に大型化して北米依りだ。コンパクトさ・身軽さを失わないで」という意見も出た。厳しい声にも向き合い、関係の強化を図る。
(文=梶原洵子)

日刊工業新聞2016年3月29日自動車面
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明 豊

明 豊
03月29日
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16年度の世界販売が初めて100万台を超える見通しの富士重。コアなスバリストを満足させつつ、どう顧客層を広げていくか。文中にある「たくさん売れても実直なモノづくりを続けてほしい」という参加者の声を実践していくことは、言うは易く行うは難しいことかも。

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