オリックスが中古太陽光パネル国内販売に参入で生かす強み
オリックスは月内に子会社を通じて中古太陽光パネルの国内販売に乗り出す。太陽光発電事業者などから買い取った使用済み太陽光パネルを検査した上で、発電事業者やO&M(運用・保守)事業者に再販売する。グループで太陽光発電事業や発電所の運用・保守、太陽光パネルの適正処理、企業への発電設備導入サービスなどを手がける強みを生かす。耐用年数を迎える太陽光パネルは2030年代に急増する見通し。オリックスは太陽光パネルの再利用を促進することで、廃棄量削減につなげる。
オリックス子会社のオリックス環境(東京都港区)が太陽光パネルの買い取りや販売などを担う。多様なメーカーの商品を取りそろえて需要に応える。新品の半額程度での販売を想定する。今後、使用済み太陽光パネルを供給する事業者と導入する事業者を結び付ける仕組みをつくる。
回収したパネルは出力性能や外観を検査した上で再販売する。使用できない太陽光パネルはマテリアルリサイクルや適正処理する。
まずはオリックスなどから太陽光発電所の運用・保守を請け負うオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM、東京都江東区)に使用済み太陽光パネルを約170枚提供する。OREMは太陽光パネルが破損した際の早期入れ替えにつなげる狙い。過去5年間に自然災害などで破損した太陽光パネルを約3000枚入れ替えた実績を持つ。
使用済み太陽光パネルは、利用者ニーズの情報不足や品質・保証の担保が難しかったことなどから国内で再利用されず、海外販売や廃棄処分されることが多かった。オリックス環境は、環境意識の高まりや太陽光パネルの生産終了などを背景に、今後国内でも使用済み太陽光パネルのニーズが高まり、リユース市場が本格的に確立するとみて参入に踏み切った。耐用年数を迎える太陽光パネルが増えて供給量も安定するとみる。使用済み太陽光パネルをオリックス環境に供給する事業者は廃棄コストを減らせるメリットがある。
太陽光パネルのリユースをめぐっては、丸紅が中古太陽光パネルの販売を開始。住友商事と三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は9月をめどに、太陽光パネルのリユース、リサイクル事業の実現に向けた実証実験を始める。