業界先駆け竣工50棟超す…大京と穴吹工務店、「ゼロエネ」マンションさらに加速
大京と穴吹工務店は環境配慮型マンションの開発を加速する。両社が手がけるマンションのうち、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス―マンション(ZEH―M)の竣工物件が業界で先駆けて50棟を超えた。この実績をテコに、今後さらに取り組みを推進。新築だけでなく、竣工済みマンションのZEH化も検討していく。
大京と穴吹工務店はともにオリックスグループに属する。2社は2015年にZEHの定義が確立された当初から、集合住宅でもZEH化の波が到来すると予測。各種仕様のシミュレーションを実施するなど、他社に先行してZEH―Mの開発を進めてきた。
こうした取り組みが奏功し、大京は19年に1次エネルギー消費量を75%以上削減するNearly ZEH―Mとして「ライオンズ芦屋グランフォート」(兵庫県芦屋市)を竣工。穴吹工務店も20年に、同20%以上を削減するZEH―M Orientedの「サーパス上乃木四丁目」(松江市)を開発した。
両社は新築マンションの開発について、ZEH―M Oriented以上の仕様とする方針を掲げている。23年12月には、分譲マンションでは日本初となるZEH区分最高ランクのZEH―Mに認定された「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」(東京都世田谷区)も着工。2社が手がけたZEH―Mの竣工物件は、3月末時点で全国51棟に上る。
今後は新築だけでなく、既存マンションについてもZEH化の可能性を模索する。二酸化炭素(CO2)排出量が実質ゼロになる「LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅」の開発も視野に入れる。
日刊工業新聞 2024年04月09日