樹脂製光拡散材で封止、ロームがLED並み照射角度の「赤外線光源」開発
ロームはモニタリングシステム向け赤外線光源「VCSELED(ビクセレッド)」を開発した。垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)素子を樹脂製光拡散材で封止することで、照射角度を発光ダイオード(LED)と同等に広げた。民生用の製品化は10月、車載用は2025年後半を予定。ドライバーモニタリングシステムや車室内モニタリングシステム向け赤外線光源のシェアで30%以上を目指す。
試作サンプルの販売を4月末に開始する。サンプル価格は未定。
競合品はガラスでの封止が多く、ロームによると樹脂製光拡散材とVCSELの組み合わせは初という。ロームがLED製品で培った光拡散技術をVCSELEDにも生かし、最適な指向角と均一な赤外線光源を実現した。温度変化による波長のバラつきも小さく、高精度なセンシングが可能という。
欧州連合(EU)がドライバーモニタリングシステムの搭載義務化を予定しているほか、運転者以外の同乗者を検出する車室内モニタリングシステムの開発が活発化している。そのためロームは検知システムの高精度化に必要な光源の需要拡大を見込み、VCSELEDの製品化を急ぐ。
日刊工業新聞 2024年04月09日