9年ぶり高水準…23年度企業倒産30%増、「夏場を境に一段と増勢の可能性」
帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が発表した2023年度の企業倒産は、いずれも前年度比30%超増加した。前年度を上回るのは2年連続。TDBは同30・6%増の8881件で、14年度以来、9年ぶりの高水準となった。TSRも同31・6%増の9053件で、9年ぶりの9000件台。資材価格の高止まりや人件費の高騰、人手不足などが経営の重荷になった。
負債総額はTDBが同4・1%増の2兆4344億円、TSRが同6・0%増の2兆4630億円だった。
TDBは全7業種の倒産件数が2年続けて前年度を上回った。「サービス業」が同28・7%増の2187件で最も多かった。サービス業が2000件を超えるのは11年度以来、12年ぶり。TSRも2年連続で10産業全ての倒産件数が前年度を上回った。
TSRは「物価高や人件費アップで収益が悪化した企業にとって、今後の金利上昇は根本的なビジネスモデルの見直しを意味する。こうした状況を背景に倒産は夏場を境に一段と増勢をたどる可能性が強まっている」とみる。TDBも「24年度の倒産件数は1万件突破も視野に、引き続き増加が見込まれる」とする。
3月の倒産件数は、TDBが前年同月比8・7%増の870件、TSRが同12・0%増の906件だった。前年同月を超えるのはTDBで23カ月連続、TSRで24カ月連続となった。
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日刊工業新聞 2024年04月09日