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「東京科学大の長」、第1次候補に上がった3人の名前

「東京科学大の長」、第1次候補に上がった3人の名前

東工大の益学長(右)と東京医科歯科大の田中学長(統合合意に関する会見=22年10月)

東京医科歯科大学、東京工業大学の10月の統合により発足する東京科学大学の長(理事長に相当)の合同選考会議は2日、第1次候補適任者を発表した。五十音順に大竹尚登東工大科学技術創成研究院長、田中雄二郎東京医科歯科大学長、益一哉東工大学長の3人となった。

立候補は両大学関係者など資格者からの自薦と、3人の推薦者による他薦で可能。2月26日から3月21日まで受け付けられた。

選考フローでは、第1次候補者の中から5人程度の第2次候補者を選考してヒアリングに進むとしていた。しかし第1次候補者が3人だったことから全員が、5月初旬に行われる両大学の役員・教職員全員が視聴可能な公開ヒアリングに臨む可能性もありそうだ。

他薦が可能なため両大学の現学長がそろって候補となることは予想されたが、統合を進める上で融和の難しさを抱える。合同選考会議は両大学全学の声を、部局長らの意向聴取を通じて受け取り、6月中に候補者を決定する予定だ。

日刊工業新聞 2024年04月03日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
最初の候補者は「自薦でも他薦でも可」という理由が、ここへ来て理解できました。自薦のみだといわゆる選挙となり、対抗意識から統合大学の融和が難しくなります。一方で、条件の厳しい他薦のみだと、恣意的な運営だと不満が出てしまうからです。結果的に顔ぶれをみると、「両大学の構成員は、自校出身者を推すのが普通だから、他薦を含めて現在の両トップが候補になるのは自然なこと」「他に10歳ほど下の世代の候補者もいて、違う切り口の提案も期待される」状況で、適切なのではないでしょうか。 大事なのは、誰もが納得感を持てる選考であることです。「選ばれたのは自分の推しではなかった。でも決定した候補者もなかなか、いい。公開ヒアリングで熱意を直接、感じることができたし、自分らの思いも部局長を通して伝えられた。その上での決定だ。社会から祝福される、新大学の船出になるだろう」と、思われる選考を実現してほしいです。東京医科歯科大と東工大なら、それは可能だと信じています。

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