ニュースイッチ

Robot mechanism#06 コグネックスのビジョンセンサー

立ち上げ時間を大幅に短縮
Robot mechanism#06 コグネックスのビジョンセンサー

ビジョンセンサー「イン―サイト」

 コグネックス(東京都文京区)が販売するビジョンセンサーは、画像処理により物体の位置や形状などを認識できる装置。ロボットに接続することで、人のように”見る“機能を持たせることができる。近年、仕分けや検査を自動化する手段として需要が拡大。ロボットによる組み立てシステムなどでも活用が期待されている。

 主力の「イン―サイト」は高速画像取り込みが可能なビジョンセンサー。形状や解像度などが異なる豊富なラインアップを有しており、「(販売量は)ここ1年くらいでかなり盛り上がっている」と川田正之プロダクトマーケティング部長は説明する。親会社の米コグネックスコーポレーションは工業用画像処理の先駆者的存在。ビジョンセンサーのシェアは世界トップ級で高いブランド力を誇る。

 ビジョンセンサーとロボットを連携させるには両者の座標を調整することが必要だが、専門的な作業で手間がかかることが課題。このため、調整を自動化できる新ソフトウエアを開発した。イン―サイトと組み合わせたパッケージとして近く発売する計画。利用することで「立ち上げ時間を大幅に短縮できる」(川田部長)という。

 ロボットに画像処理を適用することは難易度が高いと思われがちだが、「今やそうではない」と川田部長は断言する。今後は導入メリットや立ち上げの簡単さを積極的にPRする方針。ユーザー向けの技術セミナーなどを増やしていくという。
(文=藤崎竜介)
日刊工業新聞2016年3月25日 ロボット面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
ビジョンセンサーは知能化ロボットの重要パーツ。市場拡大が期待される中、キヤノンやリコーなど国内電機大手も開発・販売に力を注いでいる。導入ハードルがまだ高いとされるだけに、どれだけ使いやすいシステムを提示できるかがポイントになる。 (日刊工業新聞社編集局第一産業部・藤崎竜介)

編集部のおすすめ