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最大100億円投資、YKKが国内外でスマート工場化に乗り出す

最大100億円投資、YKKが国内外でスマート工場化に乗り出す

YKKは世界の生産拠点をスマートファクトリー化し納期短縮につなげる(黒部事業所)

YKKは4月から国内外の主要工場でスマートファクトリー(つながる工場)化に乗り出す。各工場の稼働情報を互いに共有し、大型受注時には生産余力のある工場で補完できるよう整備する。服飾業界では大量生産・大量廃棄のビジネスモデルからの脱却が急務になっている。同社はバーチャル(仮想)空間で服飾部品の生産機能を集約・効率化し、多品種少量かつ短納期の供給体制を構築し顧客ニーズに対応する。総投資額は最大で100億円程度を見込む。

スマートファクトリー化する工場はアジアなどの主要な縫製地に近く、生産能力の高い工場から着手する。10以上の工場が対象になるという。大谷裕明社長は「工場の機能をバーチャルで一つに集めることができれば(生産能力は)とても大きなキャパシティーになる」としている。

YKKは4月に専門部署を立ち上げ、外部のコンサルティング会社と協力してプロジェクトを始動。優先的に進める工場を2024年中に選定し、具体的な工程を詰める。27―28年ごろに一部の工場で実用化を目指す。投資額は数十億円から100億円程度になる見通し。

スマートファクトリー化のプロジェクトでは、製造コードの統一化を図る。各工場の間で稼働状況などの情報を共有することで、ある工場に大型受注が入った際、近隣で生産能力に余力のある工場が迅速に支援できるようにする。工場全体で受注に迅速に対応できるようにし、多様な顧客対応品の製品でも短い納期で供給できる体制を敷く。

服飾業界は衣類廃棄物の削減に向けて多品種少量ビジネスへの転換を急いでおり、服飾部品メーカーも同ビジネスに合わせた対応が求められている。同社は生産体制の最適化に向けてスマートファクトリー化を進めるほか、これと並行し、無人で長時間連続稼働が可能なファスナー製造ライン(試験運用中)を各工場に本格導入する計画。

日刊工業新聞 2024年03月13日

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