施工費60%減…竹中工務店など、吊り天井落下防止で新構法
竹中工務店はオクジュー(大阪市北区)と共同で、仮設足場を設置せずに既存の吊り天井の落下防止対策工事を行える「タフティングサポート構法」を開発した。施設を利用しない夜間でも短時間で金物を設置でき、勾配のある天井にも対応可能。従来の落下防止措置に比べ、施設の利用を継続しながら施工費を約60%削減できる。
地震などによる損傷で天井材が既存部材群(吊元、吊元受け、吊りボルトなど)から外れた場合、新開発の「タフティング金物」で天井材を支持して落下を防止する。タフティング金物は衝撃を考慮して設計した新設部材群(ワイヤ、吊元、吊元受け、吊りボルトなど)によって、既存鉄骨などの構造部材から支持する。
タフティング金物は直径90ミリ×厚さ4・5ミリメートルで、取付間隔800ミリ×1000ミリメートル四方程度と、薄くて小さい。このため天井面のデザインを変更することなく、音響性能への影響も最小限にとどめられる。既存建物の天井には「落下防止措置」などの適用が制定されている。ただ、従来の天井落下防止措置は天井を下から覆うネットの設置など仮設足場が必要な構法で、対策工事が進まない要因となっていた。
日刊工業新聞 2024年03月13日