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日産は「レベル4」視野。ホンダ・トヨタも…自動運転サービス実現へ実証活発化

日産は「レベル4」視野。ホンダ・トヨタも…自動運転サービス実現へ実証活発化

日産が実証に使っている自動運転車

日産自動車は28日、2027年度に自動運転車を使った乗り合いシャトルバスサービスの事業化を目指すと発表した。24年度に横浜市のみなとみらい地区でミニバン「セレナ」を使った自動運転車の有人走行実証実験を開始。25―26年度に同市内の桜木町や関内といった地区にエリアを広げ、20台規模のサービス実証を実施する。27年度は横浜地区のほかに3―4の市町村で計数十台規模の有償サービスを始める計画だ。

日産が目指すサービスは、一般道で制限車速を守りながら交通の流れを妨げない自動運転車を走らせる。複数の乗降場所を決め、最適なルートを選んで運行し、利用者は乗車予約や決済に専用アプリケーションを使う。

25―26年度の実証では安全確保のためのドライバーを乗せて自動運転による無償サービスの提供を始め、走行データ収集による性能向上や無人サービスへの利用者の受容性などを検証する。

サービスは「レベル4」と呼ばれる特定条件下における完全自動運転の車を無人運行し、遠隔地から管制・管理するシステムを目指すが、完全無人運行の開始時期は技術の進化や国の法規などと合わせて検討するとしている。

利用料はバス以上でタクシー未満を想定するが、利用状況や、サービスで連携する事業者などの意見を採り入れて検討する。

国内の自動運転サービスではホンダが26年初頭に都心で開始を目指すほか、トヨタ自動車も24年夏に東京・お台場で特定条件下の自動運転機能(レベル2)の実証を始める予定。

日産は18年ごろから横浜みなとみらい地区などで自動運転車の実証実験を重ねている。同地区では道路、環境、車、物体などの条件の掛け合わせによって生まれる自動運転車のユースケースを約2000件に絞り込んで、各ケースに対応できる車の設計を進めており、技術開発する上での強みとしている。


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日刊工業新聞 2024年02月29日

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