当期赤字1070億円…東芝の4―12月期、キオクシア業績悪化響く
東芝が28日発表した2023年4―12月期連結決算(米国会計基準)は、当期損益が1070億円の赤字(前年同期は840億円の黒字)に転落した。半導体メモリーを手がける持ち分法適用会社のキオクシアホールディングス(HD)の業績悪化などが響いた。23年12月の上場廃止後、投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)傘下になって初の決算発表だったが、経営再建に向けた状況は依然厳しいことが浮き彫りになった。
売上高は東芝キヤリア(川崎市幸区)の売却の影響などで前年同期比4・8%減の2兆2567億円。営業損益はハードディスク駆動装置(HDD)や発電システムで製品保証引当金を377億円計上したことなどを受け、119億円の赤字(前年同期は81億円の黒字)だった。東芝の池谷光司副社長は「将来に向けて一段踏み込んだリスク精査をしており、その過程で減損や引当金を追加計上した」とコメントした。
24年3月期連結業績予想は非公表。5月に予定する24年3月期の決算発表時までに次期中期経営計画を取りまとめるとしている。
【関連記事】 日立が電機業界で勝ち組になったグループ戦略
日刊工業新聞 2024年02月29日