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「東西」で営業益2ケタ減…NTTの業績を圧迫する地域通信の苦戦

2023年4―12月期
「東西」で営業益2ケタ減…NTTの業績を圧迫する地域通信の苦戦

NTTの島田社長は能登半島地震で固定通信系の設備の復旧費用がかさむとの見方を示した

NTT東日本とNTT西日本が手がける地域通信事業の苦戦が、NTT全体の業績を圧迫している。NTTの2023年4―12月期連結営業利益は前年同期比2・3%減の1兆4861億円。NTT東西ともに営業利益が2ケタのマイナスだったことが響いた。ただ、通信設備の効率運用によるコスト削減で23年10―12月期のNTTの連結営業利益は前年同期比プラスに転じた。24年1―3月期はさらなるコスト削減効果を見込み、24年3月期通期での営業増益を目指す。(編集委員・水嶋真人)

「コロナ禍を受けた(テレワークなどの)需要の一巡を受けて、光回線事業などが厳しかった。資産のスリム化に向けた不要資産撤去費用の増加もあった」―。NTTの島田明社長は、23年4―12月期の営業減益の要因に地域通信事業を取り巻く環境の厳しさを挙げる。

NTT東西の固定電話契約数(加入電話とINSネットの合計)は23年12月末時点で前年同月末比8・2%減の1272万件と減少傾向にある。従来は、こうした固定電話の契約減を光回線契約の増加でカバーしていた。だが、光回線サービス「フレッツ光」と他社に光回線を卸す「コラボ光」を含む固定ブロードバンドの契約数は同0・4%増の2366万件と微増にとどまった。

能登半島地震で通信設備が被災したこともNTTの24年3月期連結業績に響く。携帯通信設備だけでなく、地滑りなどの影響で光回線にも被害が出た。島田社長は「面積ベースで97%まで復旧した」と説明。正確な被害額は判明していないとしたが、「100億円程度になるとみている。(光回線など)固定系の復旧費がかさむだろう」とした。

一方で、NTTが21年に打ち出したデジタル変革(DX)加速の効果が業績面でも出始めた。NTTドコモNTTデータグループの企業向けDX支援ソリューションといった成長分野が拡大。通信関連設備の点検や診断の自動化などでコスト削減も進展し、23年10―12月期のNTTの連結営業利益は前年同期比110億円の増益に転じた。

さらに、使わなくなった通信設備などの古い建物を除却して再開発するといった不要資産の売却効果で24年1―3月期は同1557億円の営業増益を見込む。「コスト削減施策の確実な実施などを合わせ、引き続き年間で増益となるNTT連結業績計画の達成を目指す」(島田社長)考えだ。

日刊工業新聞 2024年02月15日

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