日産、経済深刻なブラジル・ロシアで逆張り攻勢のなぜ

「今こそ強みのクロスオーバー商品群を市場へ浸透させる」(ゴーン社長)

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ブラジルのレゼンデ工場
 新車市場の落ち込みが深刻なロシアとブラジル。経済低迷や通貨安でいずれも2015年は前年比2―3割近く減少した。かつて世界有数の成長市場とされていた勢いは今はない。回復は当面難しいとの見方が多い中、攻勢をかけているのが日産自動車だ。

 両国での日産の新車販売も、市場低迷を受けて落ちてはいる。が、将来、市場が回復した時を見据え、現地の事業体制を着々と整えている。

 16年初めには、ブラジルのレゼンデ工場で、新たな小型スポーツ多目的車(SUV)「キックス」の生産を年内に始めると発表。カルロスゴーン社長は「日産の強みであるクロスオーバーの商品群を市場に浸透させることができる」と息巻く。

 ロシアでは14年末にサンクトペテルブルク工場の年産能力を従来比2倍とし、SUV「エクストレイル」の現地生産を始めたのに続いて、15年には別のSUV「キャシュカイ」の生産の現地化も済ませた。世界各国で起こるSUVブームを、現下で最も厳しい環境にあると言っても過言ではないブラジル、ロシア市場でも捉えようという構え。

 通貨安に見舞われている両国の事業環境を受け、部品調達の現地化も急ピッチで進める。通貨安になると輸入部品の調達コストがかさむためだ。両国での現地調達率目標を前倒しで達成しようとしている。

 現地で先行して生産を拡大してきた仏ルノーなど提携先とのスケールメリットを生かす。「将来は必ず伸びる市場だから、市場回復に備えて高い収益性でもって供給できるような体制を整えている」(松元史明副社長)。
(文=池田勝敏)

日刊工業新聞2016年3月22日モノづくり面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

日産は以前から結構逆張りが好き、ゴーンさんらしい考え。一方で新興国市場でルノー救済という視点も見え隠れするが。

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