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取り付け作業が簡便な緩み止めナット、ハードロック工業が売上高2億円へ

取り付け作業が簡便な緩み止めナット、ハードロック工業が売上高2億円へ

作業性を高めた緩み止めナット「スペースロックベアリングナット」

ハードロック工業(大阪府東大阪市、若林雅彦社長)は、取り付け作業を簡便に行える緩み止めナット「スペースロックベアリングナット(SLB)」を発売した。従来必要だった金具の折り曲げ作業などが不要で、作業者の負担を減らせる。ロボットや自動化装置での利用を想定する。ナット1個で858円(消費税込み)から。供給体制が整うまで電子商取引(EC)サイトのみで販売する。同製品で2027年にも売上高2億円を目指す。

従来の緩み止めナットでは、「舌付き座金」と呼ばれる金具を溝が掘られたボルトにはめ込んだ後、ナットの溝に金具の1カ所を折り曲げ固定する作業が必要だった。SLBではこうした作業が不要。六角形状であるため、一般のスパナで締め付けられる。ボルトナットの取り付け作業が簡便に進み、作業者の負担を減らせる。

さらにユンカー式のゆるみ発生試験機を使い、ナットの緩み止め性能を示す「残留軸力率」の時間経過を調べた。SLBでは500サイクルで残留軸力率が実験前の70%程度に下がった後、そのままの状態を保てた。一方、一般的な軸受用ナットでは3500サイクルまでの間に、残留軸力率が同10%まで下がっていた。SLBが緩み止めナットとして高い性能を示すことが分かった。

さらにボルトナットの締め付けと取り外しを40回繰り返しても、ネジ部の摩擦を表す「プリベリングトルク」が最初の締め付け時の60%以上で維持されており、再使用しても強力な緩み止め効果を維持することを示した。

日刊工業新聞 2024年02月09日

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