作業時間60分短縮…ドローンでクレーン点検、住友重機建機が新サービス
住友重機械建機クレーン(東京都台東区、石田和久社長)は、飛行ロボット(ドローン)を活用したクローラークレーンの定期点検サービスの提供を始めた。同クレーンはブームの長さが100メートルを超える機種もあり、従来の目視点検ではブームを地上に伏せるためのスペースの確保が必要で、点検もほぼ1日かかっていた。新サービスはクレーンを稼働姿勢のまま点検でき、点検時間も60分程度と大幅な短縮を実現する。
新サービス「C―SAI」の価格はクレーンの大きさによるが50万円程度。2024年内に15件の受注を目指す。
ドローンでクレーンの自動飛行撮影を行うには、作業内容や現場の地盤によりクレーンの姿勢やブーム形状が変化するため、正確な座標情報が必要になる。
住友重機械建機クレーンは国内での豊富なクレーン導入実績を元に、クレーンの設計データや独自の位置情報登録機能でクレーンに沿った正確な飛行ルートを数センチメートルの誤差で算出。障害物の有無など現場に応じたセッティングにより、撮影環境に柔軟に対応できるようにした。
現地でクレーン機種やブームの長さを機種仕様登録で入力すると、飛行ルートを自動作成し、現場で迅速な自動飛行が可能。対象クレーンの約2メートルの距離から近接撮影し、高精細画像を取得する。気になる部分など詳細に点検したい場合は一時停止やズーム、手動操作の切り替えも可能。
クレーンを起立状態のまま点検できるためブームを伏せた状態で行う目視点検より、手間や作業時間を大幅に短縮できる。高所点検などの危険作業も減らせる。
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日刊工業新聞 2024年02月07日