ルネサスが19年ぶり復配、前12月期は当期最高益3370億円
ルネサスエレクトロニクスは、2023年12月期の期末配当を1株当たり28円にすると発表した。約19年ぶりの復配となる。併せて同日発表した同期の連結決算(国際会計基準)は減収営業減益だったものの、当期利益が前期比31・4%増の3370億円と過去最高を更新した。グループ会社間の資金管理方法変更で為替差損が縮小したことなどが要因。24年12月期連結業績予想は公表しなかった。
8日のオンライン会見で柴田英利社長は「株主還元とM&A(合併・買収)の両にらみでバランスを見ながら進めたい。配当は安定的かつ慎重に上げていく」と説明した。ルネサスは業績不振で05年3月期の期末配当実施以来、無配が続いていたが、経営の合理化や収益力の拡大により財務体質が改善。近年は積極的なM&Aで業績を伸ばしている。
減収営業減益だった23年12月期連結決算については、産業・インフラ・IoT(モノのインターネット)向け事業が「調整が当初より長く継続した」(柴田社長)一方、「自動車向け事業が非常に堅調で、全体の売り上げを強く下支えした」(同)。産業・インフラ・IoT向け事業は24年4―6月期に回復へ向かうとしている。
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日刊工業新聞 2024年02月09日