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”家飲みカフェラテ”じわり増加。サントリーさらに新商品で攻める

コンビニなどと差別化。独自技術でミルクの味、香り劣化防ぐ
”家飲みカフェラテ”じわり増加。サントリーさらに新商品で攻める

家庭で牛乳で割るタイプも投入する

 サントリー食品インターナショナルは缶コーヒー「BOSS」ブランドで、2種の新商品を投入した。キーワードは”カフェラテ“と”家飲み“。中高年の男性ユーザーが主力の缶コーヒー市場は主にブラックコーヒーとボトル缶で売り上げを伸ばしてきたが、2商品の投入により、甘口のカフェラテを好む若者や女性を取り込んで市場活性化を狙う。

 新商品はレギュラーサイズの185グラム缶「プレミアムボス ザ・ラテ」と、490ミリリットルペットボトル入りの「ボス ホームエスプレッソ ラテミックス」。ラテミックスはそのまま飲むのでなく、牛乳で薄める濃縮タイプで、家飲み需要がメイン。自動販売機などの外飲み需要と別に、家飲み需要が年々増えていることに着目した。

 柳井慎一郎執行役員は「研究開発で培ったオリジナル新商品を積極的に投入し、コーヒー市場を活性化したい」と強調する。BOSSブランドは2015年まで23年間連続の成長を実現。改廃が激しい飲料業界では「希有なこと」という。

 2015年は缶コーヒー市場全体が前年比微減(同社推定)だったが、BOSSは同4%増の9170万ケース。16年は同1%増の9220万ケースを見込む。

微生物で制御


 とはいえ缶コーヒー市場は、店頭での改廃や価格競争が激しい。これを脱して収益力を高めるには、他社商品にない優位性や市場創造が必要だ。16年の同社はそれをカフェラテに置いた。

 缶コーヒー市場ではブラックや微糖コーヒーが幅をきかすが、甘口のカフェラテは一定の底堅い需要がある。特に10―30代の男女にその傾向が顕著だ。カフェラテで求められるのは圧倒的なミルクリッチ感だが、単に牛乳の量を増やせばいいものでもない。

 缶コーヒーは食品の安全性確保のため多くの加熱工程があり、ミルクの味、香りが劣化してしまう。同社では微生物制御技術の活用や、加熱なしで使える材料を一部使って熱劣化を半減。ミルク量はボスカフェオレの4倍、コーヒー豆は微粉砕豆をブレンドし、しっかりしたコクを確保した。

 ラテミックスも同様に凍結濃縮技術を採用。加熱を伴わないためコーヒーのコクを高められる。連続カラム抽出製法でエスプレッソの香りも確保。戦略商品で16年もプラス成長を狙う。
(文=嶋田歩)
日刊工業新聞2016年3月18日生活面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
ローソンのアイスカフェラテが美味しいと聞いて、最近は会社のお昼休みに結構買いに行っている。自分がカフェラテを選ぶ基準は、味もさることながら仕事がはかどるかどうかという「場所」も重要な判断基準。なので外ではもっぱら「エクセルシオール」で、家飲みはしません。

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