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現美新幹線をラッピングしました!スリーエムジャパンのフィルムが採用に

 スリーエムジャパン(東京都品川区)のマーキングフィルム「3Mスコッチカルフィルム」が、JR東日本が4月29日から運行する観光列車「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」に採用された。映画監督の蜷川実花さんが撮影した「長岡の花火」の写真を印刷し、車体にラッピング(写真)した。

 採用に当たっては、デザインの再現性や運行期間中に色あせない耐候性、安全性などが評価された。スリーエムはフィルムの製造から印刷、高速走行にあわせた特殊加工、車体に貼りつける指導までを担当した。

 JR東日本向けでは上越新幹線の車体ロゴや山手線のラッピング、東海道本線の識別帯などにも採用されている。

「研援隊」結成し町工場巡り


日刊工業新聞2015年11月27日


 金属加工の大部分を占める研磨工程は、作業者の習熟度によって作業時間やコストが左右されると言われる。工業用研磨材を手がけるスリーエムジャパン(東京都品川区)は、現場が抱えるそんな悩みの解消に一役買っている。全国から研磨のスペシャリストを集めた「研援隊」を結成。同社の研磨材を試してもらうデモ営業だけでなく、効率化の提案にも乗り出している。

 研磨材製品事業部マーケティング部の原直彬マネジャーは「研磨材の営業にはサンプルを置いて帰る”文化“がある。けれど、それを開封すらしないのもまた”文化“だった」と苦笑する。加工現場には、慣れ親しんだ研磨材を使い続ける職人気質が根強く残る。高品質ゆえの価格の高さも普及の足かせになっていたようだ。

 「今までと同じやり方では売れない」―。打開策を模索していた2010年、同社は砥粒を三角形にすることで目詰まりを抑えた研磨材「キュービトロンⅡ」を発売。既存ユーザーから、相次いで高い評価が寄せられたという。それが「1度でも試してもらえれば売れる」という自信を生み、研援隊発足につながった。

 研援隊は現在、全国で9人が活動する。地場の販売店担当者と一緒に加工現場を訪問。実際に製品を使い、仕上げのきれいさや研磨能力の落ち難さといった特徴を実感してもらう。競合他社の市場を切り崩しているという手応えも得ているようで、キュービトロンⅡの販売は前年比2倍に伸びているという。

 14年の同シリーズ研削砥石発売を機に、その活動内容は「作業に適した研磨材への置き換えから、工程全体を踏まえた効率化提案まで広がってきた」(原マネジャー)。工程を見直したことで人件費を半減できた例や、納期の短縮により新規受注に振り向ける余力が生まれた町工場が相次ぐなど、単なるユーザー以上のファン獲得にも寄与している。
(文=堀田創平)
※内容は肩書きは当時のもの
日刊工業新聞2016年3月21日素材面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
世界の3M。でも日本の100%子会社は派手なラッピングだけでなく、地道な活動も行っています。

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