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トヨタの設計改革「TNGA」に対応させハンドル周辺部品を小型化

東海理化が2017年以降に量産
 東海理化は自動車のハンドル周辺のスイッチやロックなどの構成部品で、世界最小水準の製品を開発した。トヨタ自動車の設計改革「TNGA」に対応させ、各部品の設計を見直してハンドルの取り付け部分からロックまでの奥行きを同社従来比約25%減の110ミリメートルに短縮した。運転席のスペース確保により、衝突安全性の向上などに役立つ。小型車以上の幅広い車種での採用を目指し、2017年以降に量産する。

 開発製品の主要構成部品はレバーコンビネーションスイッチやハンドルロック。セキュリティ事業部、スイッチ事業部、機器事業部の中の5部署でプロジェクトを組んで開発した。各部品の小型化や配置調整のほか、従来は3種類あるシステムの電子制御を1種類に統一し、小型化、製品展開のしやすさ、コスト低減などにつなげる。

 生産効率も高める。レバーコンビネーションスイッチは本社工場(愛知県大口町)に自動化ラインを構築する。現在は1ライン当たり3―4人で組み立てているが、製品の複雑な配線などの改善により自動化できる仕様にした。音羽工場(同豊川市)で生産するハンドルロックは専用ラインの設置スペースを半減する。将来は自動化も視野に入れる。

 トヨタは15年12月に発売した新型ハイブリッド車(HV)「プリウス」からTNGAを導入し、順次、搭載部品や車種を増やしていく。東海理化はシフトレバーなどではTNGAに対応済みだが、ハンドル周辺部品での対応は今回が初めて。グローバル供給も踏まえ、海外工場でも生産する。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
新型プリウスで形が見えてきたTNGA。部品メーカーにとって海外取引の拡大可能性や生産効率向上など利点がある一方で、グローバルで競争が激しくなるほか、リコールの大規模化などさまざまな影響も出てくる。しかも取引価格も厳しくなる。部品の種類を絞り込んで量を取っていくことも一つの選択肢になるだろう。

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