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Robot mechanism#04 THKのクロスローラータイプ軸受

旋回軸・減速機向け、複合部品も強化
Robot mechanism#04 THKのクロスローラータイプ軸受

クロスローラー軸受

 クロスローラー軸受、ボールネジ・スプラインといった要素部品をロボット産業に供給するTHK。回転や直線運動などを支え、ロボットの正確な動きを生み出している。さまざまなタイプの製品に対応できる高水準の加工技術が強み。単品売りのほか、異なる種類同士を組み合わせた複合部品にも力を入れ始めている。

 同社が手がけるロボット用部品の代表格が、内部に円筒ころが直交配列されたクロスローラータイプの軸受だ。ロボットの旋回軸や減速機の重要部品として普及している。

 近年は小型ロボットの需要拡大により外径100ミリメートル以下の小径製品が好調。「多関節ロボットの旋回軸向けなどで数量がかなり伸びている。2016年度は前年度比1・5倍の数字が目標」と寺町崇史取締役執行役員は説明する。

 同軸受と並びロボット向けで高シェアを確保しているのが、水平多関節(スカラ)ロボットのZ軸などに用いられるボールネジ・スプライン。ボールネジとボールスプラインの機能を併せ持つ製品で、両者を別個に用意するよりも省スペース化できる点が特徴だ。「当社はネジ溝もスプライン溝も自前で加工できる。精度の良さ、寿命の長さなどが評価されている」と寺町取締役は胸を張る。

 今後はこうした複合製品をさらに増やす方針。「ロボットメーカーが利用しやすいようモジュール化していきたい」(寺町取締役)としている。
(文=藤崎竜介)
日刊工業新聞2016年3月18日 ロボット面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
他のロボット部品メーカーも複合製品の開発に注力している。ロボット部品のモジュール化は今後加速しそうだ。それに伴い、関連企業同士のコラボレーションも増えるかもしれない。 (日刊工業新聞社編集局第一産業部・藤崎竜介)

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