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軸受診断を高精度化、NTNが初のアプリ外販

軸受診断を高精度化、NTNが初のアプリ外販

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NTNは機械設備に内蔵した軸受の異常を振動で診断するアプリケーションを改良し、本格販売を開始した。2021年に始めた無料体験版に、運転・停止や回転速度など設備の状態をデータ処理する機能を加えた。設備の計測データを即時に計測・分析し、不具合や故障をいち早く高精度に検知できる。NTNがアプリを外販するのは初。26年度までに100件以上の契約数を目指す。

アプリによる軸受異常診断のイメージ

アプリは軸受に取り付けたセンサーで振動を計測後、計測データから状態を分析し「0」(正常)「1」(初期)「2」(注意)「3」(警告)の4段階で判定する。さらに改良を加え、振動以外を測るセンサーも併用すれば運転・停止、回転速度、電流値などもデータ処理できるようにした。

この改良で、例えば回転速度の一定範囲のみで診断したい個別ニーズなどに合わせた高い精度の判定が可能になる。

無料体験版モニターの要望を反映し、設備の稼働状態が変化しても高精度で診断できるよう改めた。アプリ一つで軸受16個まで同時に診断する。NTN製以外の軸受や、インターネットに接続しない通信環境でも使える。

無料体験版と同様、Edgecross(エッジクロス)コンソーシアム(東京都港区)のサイトからダウンロードでき、期間限定の無料体験版も用意した。アプリ以外に必要な振動センサーとデータ収集装置とパソコンもセットで、30日間無料で貸し出す。

アプリの消費税抜きの価格は10万円。軸受メーカーではTHKも、回転部品など多様な設備の予兆検知を人工知能(AI)も駆使して手がけている。センサーや通信、AIの進化を省人化と生産性向上に生かす保守サービスが広がりそうだ。

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