ダイハツ不正…きょう4回目の取引先説明会、工場再開へ課題山積
ダイハツ工業が認証試験不正による1月末までの全工場稼働停止に伴い、4回目のオンライン取引先説明会を23日に開く。19日には一部商用車で国土交通省が出荷停止処分を解除し、部品サプライヤーは車種ごとの順次生産再開に期待を寄せる。しかし、4回目の説明会で明示するかは不透明な情勢だ。損失補償の具体策も未定で、再開に向けた課題は山積している。(大阪・田井茂)
国交省はダイハツの商用車「グランマックス カーゴ」、OEM(相手先ブランド)のトヨタ自動車「プロボックス」「タウンエース バン」、同マツダ「ファミリア バン」「ボンゴ バン」が道路運送車両法の基準に適合したと確認し、出荷停止を解除した。22年度生産数は全車で約7万台。停止を解除された車種は初めてで、手続き上は量産を再開できる。有力サプライヤーの役員も「関心が高いのは稼働再開の時期」と、23日の説明会に注目する。
国交省が量産再開に必要な型式指定を16日に取り消しを決めた「グランマックス トラック」は日本市場向け。トヨタとマツダ向けのOEMを合わせても、年間約7000台にとどまる。有力サプライヤー役員は「影響は少ない」と説明する。ただ主力の軽乗用車を含む全46車種の適合確認は多くがこれから。型式指定取り消しが主力の軽乗用車に及ぶと、サプライヤーへのダメージも大きい。親会社のトヨタは2月上旬までにグループのガバナンス(企業統治)改善策を表明する。2月中旬までにダイハツも提出する不正再発防止策を消費者や取引先、国が納得しないと再開の道のりは依然遠い。サプライヤーはダイハツ向けの生産ラインを一度止めたため、設備の再調整や部材調達などで再開の準備期間も必要になりそうだ。
補償問題もこれから。ダイハツは3回目の説明会で1次サプライヤーに、2次以降の補償も1次が取りまとめる方法を提案した。1次サプライヤー幹部は「そのような方法が可能なのか」と疑問を示す。ダイハツは2次以降の補償に対する協力や稼働再開に備える要請を、個々の1次サプライヤーへ本格的に取り組む。サプライヤーの信頼を回復し再開へ迅速に備えられるのか。ハードルは高い。