充放電効率10%向上、デンソーがV2H充放電器の新モデル
デンソーは18日、車のバッテリーを家庭用電源として活用するビークル・ツー・ホーム(V2H)システムで必要な充放電器の新モデルの受注を3月中旬に開始すると発表した。充放電器の効率を約10%高めたほか、設置の自由度や非常用電源としての使い勝手を向上した。子会社のデンソーソリューション(愛知県刈谷市)を通じて受注する。
V2Hは電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)にためた電気を住宅に活用できるなど双方向の給電を実現する。家庭では交流電流を、車では直流電流を使用するため、充放電器には電流の変換が求められる。新モデルでは変換時の損失を低減し、効率的な電気エネルギーの利用を可能にした。
またパワーユニットとプラグホルダーを分割したことで、外壁への設置を可能にするなど自由度を向上。旧モデルに比べ重さは約63%減の約34キログラムと軽量化した。停電時には車の電力を住宅側に引き込むため、V2Hと車の両方で手動の操作が必要だったが、自動で設定が切り替わるように改良した。
デンソーは今後、車の電動化が進むことで、住宅における電気の効率的な利用に関する需要が高まるとみている。V2Hを通じ、モビリティーと暮らしの双方をつなげる。
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日刊工業新聞 2024年01月19日