大成建設がコンクリ骨材粒度把握システム開発、品質管理を省力化
大成建設は18日、コンクリート骨材やダム堤体材料の粒度をリアルタイムで高精度に把握できるシステムを開発したと発表した。人工知能(AI)画像認識技術を活用し、粒度分布を即時に算出。クラウド上に保存した実施結果の遠隔地からの確認も可能で、品質管理の省人化・省力化を図れる。ダム建設現場で同技術の実証を継続し、試験データの蓄積やシステムの機能改善により一層の生産性向上を目指す。
新開発の「T―iTsubumil」は、ベルトコンベヤーなどで搬送する材料を上部からデジタルカメラで撮影し、AIの画像認識によって画像に映る材料粒子の輪郭を識別する。さらに材料の管理粒径ごとに重量換算し、粒度分布を算出する。算出結果はクラウド上に保存され、端末などの画面上で即時の確認や情報共有が可能となる。
ベルトコンベヤーなどの直上にデジタルカメラと支持架台を設置するだけで測定でき、暗室でストロボ撮影を行う必要があった従来の解析用特殊計測設備が不要となる。システム運用の手間やコストを大幅に削減でき、ダム工事以外のあらゆる工種の粒度測定にも適用可能だ。
AIによる認識画像や解析値などの各種データは、クラウド上に保存。試験状況や解析結果、材料性状の確認などの品質管理を遠隔地からリアルタイムで行えるため、情報共有の迅速化にも役立つ。
日刊工業新聞 2024年01月19日