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JR東日本の新社長、喜勢陽一氏は平成入社の“プリンス”

JR東日本の新社長、喜勢陽一氏は平成入社の“プリンス”

喜勢次期社長(右)と深沢次期会長

JR東日本は17日、喜勢陽一副社長(59)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。1987年の国鉄民営化後の入社組が社長になるのは初めてとなる。深沢祐二社長(69)は代表権のない会長に、冨田哲郎会長(72)は相談役になる。コロナ禍からの業績の回復が進む中、2027年までの経営計画で掲げる構造改革を加速する。

喜勢氏は17日に都内で開いた会見で、1月初頭に社長に指名された際、「いよいよJR採用(の社員)が経営の前面に立つ時代が来たのか」と感じたことを明かした。業績はコロナ禍での2期連続の赤字が22年度に黒字に回復。深沢氏は「23年度も計画通りに進んでいる。ポストコロナも見え始めた。交代のタイミングとしては一番いい」と述べた。

喜勢氏は人事・経営企画畑を進み、常務取締役や副社長として深沢氏を支えてきた。18年に発表した経営計画「変革2027」の策定にも携わった。経営計画は折り返しに入ったが「これからが正念場」と力を込める。深沢氏が進めてきた方向性は継承しながら「社員の発意やチャレンジを経営の中でしっかり受け止めて、新しい時代をつくる」ことに注力していく。

【略歴】喜勢陽一氏 89年(平元)東大法卒、同年JR東日本入社。15年執行役員、18年常務、21年副社長。千葉県出身。

素顔/JR東日本社長に就任する喜勢陽一(きせ・よういち)氏

早い段階から社長就任が確実視されたJR東の“プリンス”。労務政策で高い実績を上げるなど、平成入社組の中でトップを走り、満を持しての登板となる。深沢氏は「社長には肉体的にも精神的にもタフさが求められる。喜勢氏は胆力を兼ね備えた人物」と評価する。

診療施設「スマート健康ステーション」やコロナ禍で本格化した「新幹線物流」といった新しい事業も深沢氏の右腕として支え実現した。「何かをつぶやくと、関係者との調整など身を挺して動いてくれた」と、喜勢氏の実行力に期待を寄せる。

ポストコロナ社会では価値観は大きく変化する。トップダウンだけでなく、社員からの発信も融合していく考えのようで、人事部時代に培った社員との対話力を経営にも生かしていく。

座右の銘は「疾風に勁草(けいそう)を知る」。嵐の中でも強く根を張る植物のようにしっかりと成長していく。(安川結野)

日刊工業新聞 2024年01月18日

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