「メイドインジャパン」復活は足もとから!国内回帰進む靴製品 

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シンエイの高級婦人靴
 日本メーカーの衣服や靴は、グローバルな価格競争の中で長らく中国やアジアで生産されてきた。ここへ来て、高級品や機能性商品の製造を国内に切り替える動きも進む。家具でも国内産を見直す動きが見られ、これまで海外産があたり前だった身の回り品が、「メイドインジャパン」として再び世界から脚光を浴びる日が来るかも知れない。

結ばず使える靴ひも。ツインズ、海外にらみ差別化


 ツインズ(千葉県船橋市)は、球状のコブがあり結ばずに使える靴ひも「キャタピラン」の国内生産を始める。これまで中国での委託製造のみだったが、夏以降の海外販売に合わせ「日本製」を売りにする。新潟県燕市の自社配送センター「TLC」内に製紐機を5ライン導入する。投資額は約3000万円。近く稼働し、当面は月間約2万―3万個を製造する。

 TLCでの製造は、5ラインを3―4人で対応する。製紐工程は自動化しているが、包装工程がすべて手作業でコスト増要因となる。このため簡易なパッケージへ変更し、包装工程も機械化する予定。これにより国内製造比率を最大70%程度まで引き上げても採算性が合うという。

 自社生産のほか、国内での委託製造も進め、合わせて国内で月産7万―8万個体制とする計画。小ロット対応や関連商品の開発にもつなげる。海外市場の開拓は欧米から始める計画で、現在販売代理店などとの契約を進めている。

 靴ひものキャタピランは、ナイロンとゴムを特殊製法で編み込み10―15ミリメートル間隔で球状のコブを付けた靴ひも。コブはゴム製で伸縮性があり、穴にひもを通すだけでコブが引っ掛かり固定できる。2014年度は年間140万個を販売。靴ひも以外の衣類やアクセサリー向け製品の開発も進めている。

シンエイ、「高級婦人靴」全面切り替え


日刊工業新聞2015年10月22日


 シンエイ(東京都台東区)は、婦人靴ブランド「リズ・ラフィーネ」の商品を2016年2月以降に出荷する春夏商品から、すべて日本製に切り替える。現在は同ブランドの約15%をカンボジア製や中国製が占めるが、すべて日本製にして品質の高さや信頼性を訴求する。中敷きに「メイドインジャパン」と表示するなどしてアピールする。

 同社は婦人靴に特化して全国の百貨店向けに企画や卸を手がけており、15年1月期の売上高は114億円。自社ブランド「リズ」の4ラインのうち、「リズ・アーバントラディショナル」「リズ・コンフォート」はすでにすべて日本で生産している。

 リズ・ラフィーネはエレガントさを求める20―40代をターゲット。8月にハイグレードラインとして、浅草の職人が靴の甲や本底、内部に本革を貼った商品を出した。9月にはリズ・コンフォートで、京都の友禅染技術を用いた革を採用した初のコラボレーション商品(写真)を発売した。

 同社によると最近は訪日外国人が日本製の靴を買い求める動きがあるという。日本国内で染色や縫製などが施された衣料品に対する「Jクオリティー」認証制度も1月に始まっており、靴に関しても日本製への関心が高まると見ている。

日刊工業新聞2016年3月17日 中小企業・地域経済面

COMMENT

宮里秀司
出版局雑誌部
企画委員

これまで日本の消費者は、身につける商品に「安くてそこそこの品質」を求め、「壊れたら買い換える」といった意識を持っていたように思います。靴や関連製品の生産が国内回帰する背景には、「良い物を長く使い続ける」といった方向に消費者の心理が向かいつつあることとも無関係ではないように思われます。

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