ソニーはXRで3Dモデル制作・パナソニックは有機ELテレビ…日本勢がCESで披露する最新技術
世界最大級の家電・IT見本市「CES 2024」が米ラスベガスで現地時間9日に開幕する。IT事業者や電機メーカーのほか、自動車や金融といった異業種やスタートアップなど4000社以上が参加。生成人工知能(AI)や、現実と仮想世界を融合する(XR)技術なども紹介される。
日本勢ではソニーグループが9日(日本時間)の事前説明会で、ホンダとの共同出資会社において、生成AIを使う対話システム開発で米マイクロソフトとの提携を発表。また、独自のヘッドマウントディスプレー(HMD)にコントローラーを組み合わせた空間コンテンツ制作システムも公表した。
吉田憲一郎会長兼最高経営責任者(CEO)は、XR環境で実寸大のモデルを確認しながら、「クリエーターが3次元(3D)モデルを制作、修正できるようになる」と説明。エンターテインメントや工業デザインなどで3Dソフトウエアの制作を支援する。2024年内の販売を計画しており、第1弾として独シーメンスとの協業を決めている。
パナソニックは世界初の展示となる新旗艦モデルの有機ELテレビなどを出展。従来より画像の鮮明さと色の精度が向上し、最新のテレビゲーム技術との互換性を備えた。また環境負荷の少ない素材を使った展示ブースとし、展示台の一部で高濃度セルロースファイバー成形材料によるジョイントを使用した。
三菱電機はスマートフォンに搭載した高性能センサー「LiDAR(ライダー)」により、目の前の空間やモノを3Dモデル化して計測するアプリ「ルーラレス」を出展。災害時の被災調査などを効率的に行える。同社のパワー半導体を搭載した米ハーレーダビッドソンの関連会社の電動バイク最新モデルも実機展示する。
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日刊工業新聞 2024年01月10日