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業績悪化の住友化学、稲畑産業の株一部売却…財務体質を強化

住友化学は持ち分法適用会社である稲畑産業の株式の一部を売却する。今後の抜本的な構造改革に向けた財務体質の強化を狙い、資産売却の一環で実施する。住友化学は2024年3月期の個別決算に最大約240億円の特別利益を計上する見通し。

住友化学が保有する稲畑産業株式の割合(議決権ベース)は25・07%から12・08%に下がる見込み。稲畑産業は持ち分法適用会社から外れるが、今後の取引関係に影響はないという。

住友化学は業績悪化を受け、約5000億円のキャッシュ創出などの短期集中業績改善策に取り組む。その一貫で政策保有株式の22年度末比7割減などの資産売却・余資活用を進めている。

一連の財務体質の強化に取り組みつつ、4月をめどに事業変革に向けた抜本的な構造改革の骨子を公表する計画。25年3月期での業績V字回復とともに、抜本的な構造改革を推進するための体制を整える。


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日刊工業新聞 2024年01月09日

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