東レが原糸・原綿のジャパンブランドをラベルで訴求。繊維業界の構造改革につながるか

  • 0
  • 0
ラベル画像
 東レは15日、同社の国内工場で生産した高付加価値原糸・原綿を使った製品向けに、日本製素材の使用を証明するラベルの展開を始めると発表した。3月下旬から展開する。訪日外国人の需要の高まりなど日本製品への評価が高まっていることを背景に、専用ラベルで日本製素材をアピールし、購買意欲を促進する考え。

 合成繊維の50%以上に、東レの国内7工場で生産した高付加価値原糸・原綿を使った製品が対象。アパレルメーカーなど、同ラベルの使用を希望する顧客向けに有償で提供する。既に寝装品やワーキングユニホームメーカーが使用を決めた。BツーB(企業間)市場でも、カーペットメーカー向けなどで需要を見込む。

 まずは国内流通品を対象に行い、将来は輸出品向けにも展開したい考え。同社の日本製合繊原糸・原綿の売上高は約1200億円。

ファシリテーター・峯岸研一氏の見方


  東レが原糸・原綿で独自に日本産を強調するのは当然ですし、むしろ遅いくらいです。繊維製品は原糸・原綿から織布・編み立て、染色加工に至る各段階の相乗効果によって製品が生まれますが、その中でも重要なのが原糸・原綿です。何故なら、原糸・原綿の「善し悪し」が、それ以降のモノづくりを左右するからです。

 東南アジアや中国で、日系合繊メーカー産の原糸・原綿が長年にわたり他メーカー産品に比べて高値で取引されているのもその一環です。また、このことは主要合繊であるポリエステル、ナイロン、アクリルにおいて量的劣位に追い込まれた日系合繊メーカーが原糸・原綿での事業展開を可能にしている要因でもあります。

COMMENT

峯岸研一
フリーランス

 現在、日本ファッション協会を中心に商品企画から縫製・販売まで日本国内製造を原則にした「JooQALITY認証作業」が進められており、この秋からはジャパンブランドが店頭に登場する予定です。  こうした動きの中で東レが国内産原糸・原綿をラベルで示すことによる効果は、東レだけではなく日本の合繊メーカーを含めて繊維業界にとっても重要な意味があります。原糸・原綿に留まらず、日本における繊維製造構造の見直し機運を高める可能性を秘めているからです。

関連する記事はこちら

特集