ニュースイッチ

排熱「温度差」発電で世界に技術力PR、京都試作ネットがCES初出展

排熱「温度差」発電で世界に技術力PR、京都試作ネットがCES初出展

京都試作ネットがCESに出展する熱電排熱発電システム

京都試作ネット(京都市下京区、佐々木智一代表理事)は、米ラスベガスで2024年1月9日に開幕する国際見本市「CES2024」に、温度差を利用した発電システムを出展する。CES出展は今回が初めて。参画する中小企業が連携し、コンセプトモデルの受託製作を国内外で受注するための事業機会探索が狙い。日本の特定地域・産業の非営利団体が国際的な展示会へ出展するのは珍しい。

CESに出展するのは、排熱などが通るパイプと外気の温度差を利用して発電する熱電排熱発電システムのコンセプトモデル。熱電素子(ペルチェ素子)と伝熱フィンを組み合わせた発電システムをパイプに組み付けることで発電する。発電量自体は微少だが、熱源があれば半永久的に使用可能なのが特徴で、工場や研究機関などでの利用を想定する。

同システムは、試作ネットに参画する最上インクス(京都市右京区)とジーマックス(東京都港区)、グローヴ(京都市下京区)、イーエル・オカモト(京都府亀岡市)が連携して開発した。

京都試作ネットは京都を試作加工の一大集積地とすることを目指し、府内の中小企業が連携して01年7月に発足。発足から約22年経ち、現在は約40社が参画する。国内を中心に試作受託で実績を重ねてきたが、今回のCES出展を機に、海外に技術力を広くPRする。前回のCESには視察で訪れており、世界的な大企業やベンチャー関係者など「日本でなかなか会えない人とコミュニーションがとれた」と佐々木代表理事は振り返る。今回の出展では、展示会中の商談を見込んでおり、最上インクスの鈴木滋朗社長は「(試作ネットに参画する企業の事業)機会創出につなげたい」と期待する。

グローバルの試作拠点としては中国・深センが有名で、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や中国電気自動車(EV)最大手の比亜迪(BYD)などが本社を置き、ベンチャー向けの試作・量産地域として関連産業が集積。試作ネットでは「日本でできないことが他国でできる時代になった。日本からお家芸のモノづくりがなくなるかも知れない」(佐々木代表理事)と危機感を示す。

CES出展によってグローバル市場に打って出るとともに、「(日本にモノづくりを残すためにも)顧客から言われたものを作るだけでなく、何をどうやって作れば良いかソリューションとして提案できるように頭をシフトチェンジする目的もある」と佐々木代表理事は強調する。

日刊工業新聞 2023年12月27日

編集部のおすすめ