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「何とか議論を前に進めたい」…静岡大と浜松医大の統合・再編見直しの背景

「何とか議論を前に進めたい」…静岡大と浜松医大の統合・再編見直しの背景

静岡大学未来創成ビジョンを説明する日詰静岡大学長

【静岡】静岡大学は21日、浜松医科大学との法人統合・大学再編方法を見直し、新たな「静岡大学未来創成ビジョン」を大学の正式案と定めたと発表した。静岡大は浜松医大と2019年に合意書を交わした「1法人2大学案」を変更し、1大学に統合して静岡市と浜松市に分校を置く「1法人1大学2校案」を提示する。同案では両地区に権限を委譲した担当理事を置く。ただ浜松医大は一貫して19年に合意した当初案の履行を求めており、協議の見通しは立っていない。

1法人2大学案は、両大学が法人を統合し静岡大静岡キャンパス(静岡市駿河区)が中心の大学と、同大浜松キャンパス(浜松市中区)と浜松医科大を一体化した大学を設置する内容だった。その後、静岡キャンパスの関係者から大学の分断につながるとの反対論が収まらず、21年に統合・再編の延期を決めた。

静岡大の日詰一幸学長はビジョンは賛成、反対の双方に歩み寄った内容とし、「何とか議論を前に進めたい」と述べた。

日刊工業新聞 2023年12月22日

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