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『男社会』三菱電機が女性の活躍推進、最高人事責任者が強調する意義

『男社会』三菱電機が女性の活躍推進、最高人事責任者が強調する意義

11月に開催された女性向けキャリアフォーラム

管理職採用、無意識の偏見排除

三菱電機が女性社員の活躍の場を広げようとしている。各種支援策の展開に加え、10月から人事部内に「ウェルビーイング推進グループ」を設置して人事諸政策の見直しを促進。11月には入社5―10年目の女性社員を対象に社長との対話などを行うキャリアフォーラムを初めて開催した。2030年度に女性管理職の比率を現行比約9ポイント増の12%とする目標を踏まえ、女性社員のキャリア継続を支援し、定着率の向上につなげる。(編集委員・小川淳)

「我々の会社は、かなりの『男社会』。同質な集団で長年きている。固定観念にとらわれ、既存の成功体験の中でしか考えられなくなる。複雑な事業や社会環境の中で、勝ち残れるのか危機感がある」―。三菱電機で最高人事責任者(CHRO)を務める阿部恵成常務執行役は、女性活躍推進の意義をこう強調する。その上で、「女性活用を進めると固定観念や(会社の)カラーを破るような発想や活動が出てくる期待がある」と語る。

三菱電機の新卒採用で見ると、技術系が大半ということもあり、女性の採用割合は現在約2割強だという。さらに管理職では23年7月実績で女性の比率は2・9%にとどまる。出産・育児と仕事の両立などが理由で離職する人も多い中、30年度に12%という女性管理職比率の目標達成には「少ない割合の女性社員の中から意識的に引き上げ、実例を積み重ねる必要がある」(阿部常務執行役)。

阿部恵成常務執行役は自社が「男社会」でやってきたことに危機感を示す

三菱電機は採用活動での学生への発信力を強化しているほか、社員定着のために社内求人制度やキャリア支援休職など、各種キャリアサポートプログラムを充実。さらに、配偶者出産休暇や勤務地変更申請制度など、家庭と職場の両立に向けた各種支援制度を順次導入している。

また、管理職候補の早期選抜と育成によって30代での管理職登用など、女性社員自身の意識付けの強化を進めているほか、社長を含む経営層や全管理職を対象にアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)研修なども定期的に開催する。

10月にはウェルビーイング推進グループを設置。人事部の中で各グループごとに実施している人材育成などの施策の連携や整合性、改善点などを模索し、男女問わず従業員が働きやすい環境を実現していく。「若い人に入ってもらい、いろんな提案ができる場」(同)にする。グループリーダーは女性だという。

全国の若手女性社員を集めて討議や社長との質疑応答を実施するフォーラムでは、初めて入社5―10年目の女性社員を対象にしたものを11月に実施し、210人が参加した。この世代ならではの悩みの共有やネットワークづくりに役立ててもらった。

人手不足が深刻化する中、男女問わず優秀な人材の採用を進めるには女性が働きやすい職場づくりは必須だ。また、女性が働きやすい職場は本来なら男性も働きやすくなる。三菱電機は今後も女性の働きやすい職場づくりを模索していく。

日刊工業新聞 2023年12月21日

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