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タクシー業界に最大限配慮…「ライドシェア」4月開始、決めるべき課題

タクシー業界に最大限配慮…「ライドシェア」4月開始、決めるべき課題

訪日外国人客の増加がタクシー不足に拍車をかけている

タクシー不足の解決策として配車アプリを使って普通免許のドライバーが自家用車で有償運送するライドシェアが、実用化に向け大きく進み出した。20日に開かれた第3回デジタル行財政改革会議で中間とりまとめ案に示された自家用車による運送サービスを可能にする制度が承認された。国土交通省は、2023年度内に制度設計し、4月から一部地域で実施する方針だ。

この制度ではタクシー会社が事業の一環として地域の自家用車とドライバーを活用して行う。まず民間のタクシー配車アプリのデータを活用して全国でタクシーが不足している地域や期間、時間帯を調べ、必要な地域を特定する。タクシー会社がドライバーの教育や運行管理、車両整備管理などの安全確保を行い、最終的な運送責任も負う。

運賃はタクシー運賃と同じになるとみられる。タクシー会社がドライバーを雇用するのか、業務委託にするのか、アプリでの迎車以外の客待ちなどを認めるかどうか、使用する自家用車の車検や自賠責保険なども早急に制度設計する。さらにタクシー事業者以外がライドシェア事業を行うための法律制度について、6月に向けて議論する。

コロナ禍でタクシー運転手は2割減少した。タクシー会社は車両が余っていても2種免許のドライバー不足で十分に活用できない状況が続いており、この制度で運転手不足に対応できる。

このほか中間とりまとめでは現在、交通空白地で行われている自家用有償旅客運送制度を改革し、料金制度や運行区域などに柔軟性を持たせることで事業主体の自治体やNPOがタクシーと共同運営できる仕組みも構築する。さらにタクシー事業では、運転手の地理試験を廃止し、法定研修期間の要件を撤廃することで入職しやすくする。

タクシー業界を圧迫すると反対する声も多かったライドシェアだが、業界に最大限配慮し運転手不足を補う制度とする。ただ、保険や車検などの扱いや、タクシー会社内で2種免許の運転手と普通免許運転手の割合を制限するのかなど決めるべき課題は多い。

日刊工業新聞 2023年12月21日

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