ピーナツの胚芽に老化防止効果? でん六、山形大、慶應義塾などがチョコ商品化

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山形で期間限定販売する「ピーナツ胚芽チョコ」
 山形県の産学官が連携し、これまで捨てられていたピーナツの胚芽を使った菓子を商品化した。参加したのは豆菓子メーカーのでん六(山形市、鈴木隆一社長)、慶応義塾大学先端生命科学研究所、山形大学農学部、米沢栄養大学、県工業技術センター庄内試験場の5者。共同研究の結果、ピーナツ胚芽には健康の維持に期待されるポリフェノールや、アミノ酸の含有量が多いことが分かった。今後、地域限定での販売を目指す。(山形支局長・大矢修一)

 今回の商品化は「バイオクラスター形成促進事業」による成果で、同事業は山形県の研究開発補助事業の一つ。2013年度から取り組んだ。

 ピーナツの胚芽部分は、芽(め)と呼ばれる部位で、2ミリ―3ミリメートルの粒状。通常食べているピーナツは実(タネ)の部分になる。胚芽は生育の起点となる部位で、その”力“を確認するために研究開発チームを結成した。各機関が持つ最新の機器を活用し、ピーナツのタネ部分よりもポリフェノールやアミノ酸が胚芽に多く含まれていることを確認。動物実験では体内抗酸化機能の改善データなども得た。

 事業全体のコーディネート役は庄内地域産業振興センター(山形県鶴岡市)が担った。これまで県のバイオクラスター形成事業では約30件のテーマが採択されている。意識的に県内外への情報発信に取り組んだのは今回が初めての事例だという。

 商品化を進めたでん六は、国内ピーナツ菓子業界でトップシェアを誇る。2月に同工場で開いた成果報告で鈴木社長は「(でん六の)イメージアップにつなげていきたい」と新商品に期待を寄せた。同社では胚芽部分を未利用資源として月間700キログラム以上排出していることから、有効利用の研究開発を進めていた。

 でん六は山形県上山市の蔵王の森工場の見学者を対象に、4月1日から6月末までピーナツ胚芽入りチョコレートを限定販売する。

 ピーナツ胚芽はそれのみを食べると独特の苦みがある。今回限定発売するピーナツ胚芽チョコは、その苦み感とうまみを残す形でチョコ菓子とした。価格は内容量150グラムで300円(消費税込み)。同社既存商品のピーナツチョコの同量品に比べ価格は高い設定とした。鈴木社長は「手応えがつかめれば今後はエリア限定での販売なども考えていきたい」としている。

日刊工業新聞2016年3月16日 中小企業・地域経済2面

COMMENT

宮里秀司
出版局雑誌部
企画委員

抗酸化作用があるといわれるポリフェノールや、サプリメントなどにも使われるアミノ酸。これまで捨てられていたピーナツの胚芽にこの二つの成分が多く含まれていることが分かりました。未利用資源の有効活用はまさに「日本のお家芸」ともいえ、産学官がスクラムを組んで取り組んだ研究開発が実を結びました。山形だけでなく、全国で利用が広がることを期待します。

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