三ツ知が子会社の車部品事業をアイシンシロキに譲渡する狙い
三ツ知は完全子会社の三ツ知部品工業(愛知県春日井市)が手がける自動車部品の組み立て事業をアイシンシロキ(同豊川市)に譲渡する。三ツ知の事業構造改革の一環で、自動車向け冷間鍛造部品の開発・製造に経営資源を集中する狙いがある。自動車部品のうち窓ガラスを昇降するウインドーレギュレーターは2024年1月に、バックドアを固定するバックロックは同5月にそれぞれ譲渡する。
三ツ知部品工業はウインドーレギュレーター部品とバックロック関連部品の組み立てを約30年間にわたり手がけてきた。ただ、23年6月期決算では1億4900万円の営業赤字を計上。従業員の高齢化や労働力コストの上昇により採算の確保が難しくなった。さらに愛知県新城市の工場は気象災害など事業継続計画(BCP)上のリスクもあることから事業譲渡を決めた。同市の工場は二つあり、第一工場は閉鎖し、第二工場は三ツ知の土木・建築関係向けの新事業を担う。三ツ知の中村和志社長は「企業の競争力を高めるための前向きな話」と説明している。
日刊工業新聞 2023年12月19日