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作業量5倍…「車載草刈り機」商品化へ、アームで走りながらカット

ネクスコ・メンテ関東が開発
作業量5倍…「車載草刈り機」商品化へ、アームで走りながらカット

開発中の車載式草刈り機。トラックの荷台からアームを伸ばして、法面の草を刈る

ネクスコ・メンテナンス関東(東京都千代田区、幡鎌俊昭社長)は、ササキコーポレーション(青森県十和田市)と共同で、車載式草刈り機を開発する。2トントラックの荷台に載せたまま、アームを伸ばして道路脇の斜面(法面)と路肩の草を刈り取る。無線手動リモコンにより車内から操作が可能で、人手の約5倍の作業量を実現する。現在、常磐自動車道の水戸市付近で実証機をテスト中で、2024年度中の商品化を目指す。

道路や土手に群生する雑草の草刈りは人手で行っているのが実情。高齢化が進み、人手不足問題を抱えているほか、夏場は熱中症リスクもある。

ネクスコ・メンテナンス関東などが開発する車載式草刈り機は、2トントラックの走行に合わせて草刈りをするので作業環境を改善し、安全性と効率性も向上できる。草刈り機は、法面用草刈り機とガードレール付近の路肩用草刈り機の2種類。それぞれを積んだトラックを縦列で走らせ、まず路肩の草を刈り、後続トラックが法面の草を刈る。

法面用草刈り幅は1100ミリメートル。作業速度は毎時2キロ―4キロメートルで、Y字型ハンマー64枚の刈刃ローターで草を刈る。路肩用草刈り機は円形のフリーナイフ刃3枚で草を刈り、ガードレールに触れると刃が引っ込んで、次の区間から作業を再開する。

走行車両の荷台からアームが張り出す格好になるため、トラックが横転したりしないようウエートバランスの方法を工夫したという。今後、商品化に向けて草刈り速度や作業性などの改善に取り組む。

日刊工業新聞 2023年12月07日

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