基地局に次世代太陽電池「ペロブスカイト」、KDDIなどが国内初実証
KDDIとエネコートテクノロジーズ(京都府久御山町、加藤尚哉社長)は6日、次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を活用したサステナブル(持続可能)基地局の実証実験を2024年2月に群馬県で始めると発表した。薄くて軽く曲げられるペロブスカイト太陽電池を電柱型の基地局に設置したポールに巻き付け、敷地面積の少ない電柱型の基地局でも太陽光発電を行えるようにする。同電池で発電した電力で商用基地局を運用する実証は国内初という。
曲がる太陽電池を巻き付けたポールを電柱型基地局に8本設置する。基地局本体の電柱から少し離れた位置にポールを設置することでケーブル配線などへの影響を最小限にし、発電効率を最大化できるようにする。実証期間は最大1年間。
実証で発電効率を測定し、サステナブル基地局の有用性や設置方法を検証する。ペロブスカイト太陽電池とCIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレン)太陽電池の発電効率や設置上の課題を比較する。曲がる太陽電池による発電で電力が不足した場合は、再生可能エネルギー実質100%で二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロとみなすことができるカーボンフリープランの電力を活用。24時間365日CO2排出量実質ゼロを目指す。
KDDIは電力などのエネルギー消費を通じ、一般家庭の約40万世帯分に相当する年間約94万トンのCO2を排出している。通信基地局に関連する電力使用量は同社全体の電力使用量の約半分を占めており、基地局の省電力化が重要な課題となっている。
日刊工業新聞 2023年12月07日