今年の新規上場、去年並みの100社弱を維持

ZMPやJR九州など話題企業も多く。来年以降は減る可能性も

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 2016年の新規株式公開(IPO)企業数は、15年と同水準の100社弱となる見通しだ。年初から、株の値動きは不安定だが「上場準備企業のマインドは変化していない」(青木英之SMBC日興証券執行役員)。17年以降は上場審査の厳格化の影響もあり、同様のペースが続くかは不透明だ。

 東京証券取引所は11日までに15年と同ペースの28社の新規上場を承認した。野村証券は例年通り30社前後の主幹事獲得を見込む。SMBC日興証券の主幹事数は15年は24件だったが、16年も同程度を見込んでおり、証券各社が上場準備をする案件数は前年と同程度となりそうだ。

 16年は東証マザーズに2月24日に上場した「はてな」や3月2日に上場した「バリューゴルフ」は、初値が公募価格の2倍以上となるなど好調。年内にはロボットベンチャーのZMP(東京都文京区)やJR九州など、話題企業や大型銘柄の上場も見込まれる。

 ただ、17年以降のIPO数は16年並みを維持するのは難しそうだ。東証は15年に発生したIPO企業による上場直後の業績下方修正問題などを受け、上場審査を厳格化した。また監査法人では監査品質向上のため期中監査を避ける動きが増えており、上場準備期間の長期化に拍車をかけているからだ。

 これらの動きはIPOの質の向上と不祥事防止を狙っている。このため全体の上場数が減ったとしても、より優れた企業の上場につながり、日本市場と投資家にとっては好影響を与えるとみられる。

日刊工業新聞2016年3月14日1面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

世界でみると、企業の資本市場からの資金調達は落ち込んでいる。調査機関によると、株式や債券の発行による1月の調達額は計約5400億ドルで前年同月より2割弱減った。特に欧米では株式発行の落ち込みが大きい。IPOを見合わせる動きも相次いでいる。日本もひとまず16年3月期決算と4-6月の業績見通しを注視したい。

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