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VRシステム装着で操作する「水中ドローン」、大幅低価格化の仕掛け

チューリヒ工科大学発スタートアップが事業化へ
VRシステム装着で操作する「水中ドローン」、大幅低価格化の仕掛け

開発中の水中ドローン

チューリヒ工科大学発スタートアップのテティス・ロボティクス(チューリヒ市、ジョナス・ビュスト最高経営責任者〈CEO〉)は、開発中の水中ドローンの試作機を2024年に完成し事業を本格化する。価格は未定だが従来の水中ドローンより大幅に低価格化する予定。操縦士は仮想現実(VR)システムを装着し、コントローラーで水中ドローンを操作する仕組み。安全で低コストな水中探査の実現を目指す。

一般的な水中ドローンには、水中の調査や機体の位置確認のために全地球測位システム(GPS)やレーザーが組み込まれている。同社はコストを抑えるためにこれらの装置は搭載せず、代わりに音響センサーを取り付けた。同センサーを活用して河川の深さや水圧などを測定し、水中での位置や障害物の確認ができる。

河川で試運転したところ最大40メートルの範囲を探査でき、河川中の構造物を捉えることに成功。今後は3次元(3D)インフラを構築し、知覚・聴覚情報も提供する見込み。工業検査分野などへ販売したい考えだ。

欧州では河川などの水中に戦時中の不発弾や弾薬が沈んでいる可能性が高く、これまで水中ドローンや人が潜って探査して回収してきた。ただ従来の水中ドローンではカメラの視界が悪く捜索が困難であるだけでなく、機体が高額という課題があった。また人が潜水する場合は視界不良に加えて体力を消耗しやすく、長時間の探査は不可能だった。

日刊工業新聞 2023年11月22日

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