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今年一番の伸び、酒税改正でビール活況

ビール大手4社が13日までに発表した10月のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)の合計販売数量は前年同月比19%増と2カ月ぶりプラスになった。10月の酒税改正でビールカテゴリーが減税となり新商品投入も相次いだことで、同カテゴリーは同59%増と2023年で一番の伸びとなった。その半面、増税になった第三のビールは同33%減と13カ月連続のマイナスとなった。(編集委員・井上雅太郎)

ビール大手4社の10月販売動向

今回の酒税改正でビールは350ミリリットル缶で6・65円分の税率が下がり、第三のビールは同9・19円分が上昇し、発泡酒と同率になった。加えて「22年10月は各社がビール類の値上げを実施し、全カテゴリーで販売実績は低水準だったため、ビールカテゴリーが前年実績を大幅に上回った」(キリンビール)と説明する。

主力ブランドではアサヒビールの「スーパードライ」が前年同月比48%増。これに新発売の「スーパードライ ドライクリスタル」の販売108万ケースが上乗せになる。キリンの「一番搾り」は同54%増で、「スプリングバレー」も同45%増だった。サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」は同41%増。サッポロビールの「黒ラベル」は同49%増で、新商品の「サッポロ生ビール ナナマル」は発売1週間で500万本を販売した。

第三のビールについてアサヒは「9月に増税前の駆け込み需要が発生し、10月はその反動と価格上昇で大きく減少した」と説明する。キリンの「本麒麟」が同12%減だったほか、アサヒの「クリアアサヒ」が10%減など2ケタのマイナスが目立った。

11月の見込みは引き続きビール回帰の流れが続くとみる向きが大勢を占め、アサヒは「ビールで約10%増の販売を見込む」とする。これに年末の忘年会需要も本格化していくため、生産予定についてサントリーとサッポロがビールで約20%増のほか、キリンは業務用(瓶・樽)で約20%増になるとしている。

日刊工業新聞 2023年11月14日

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